庭の中に、新しく庭園灯を設置しました。
夜間も随分と明るくなりました。
寺院での灯りといえば、灯篭(とうろう)が思いつくと思います。
【とうろう】は旧字体の漢字も含め、
灯籠、燈篭、燈籠とも書きます。
当院では、
雪見(ゆきみ)灯篭、
織部(おりべ)灯篭があります。
以下、少し説明しますと・・・
【雪見灯篭】
雪見灯篭は、石灯籠の一種で、形は笠が大きく高さが低めなのが特徴です。
雪見のいわれについては、幾つかの諸説あり、
【傘を広げた上に雪が積もった形に似ている】
【灯りを点した姿が近江八景の浮見堂に似ているため、
浮見から雪見に言葉が変化した】
とも言われています。
【織部灯篭】
織部灯篭は、茶人でもあり、戦国武将でもあった、
古田 織部(ふるた おりべ)が創案した灯篭と言われています。
古田織部は、あの大茶人である千利休の弟子であり、
利休亡き後に豊臣・徳川政権で「天下一」と称された武将茶人です。
激動の桃山時代後期の茶の湯をリードし、
茶器製作・建築・庭園作庭などにわたって「織部好み」と呼ばれる
一大流行を安土桃山時代にもたらしました。
灯篭は、仏教の伝来に伴い大陸から入ってきたものです。
庭に、何気なくある灯篭ですが、見方を少し変える事により
様々な歴史と、古来からの文化を改めて知る機会となりました。